野良猫族 の 不思議なチカラ
ぽんちゃんを偲んで。
あれから、まだ2週間。
突発的に襲われる、喪失感からくる胸を掻き毟られるような悲しみは、
AIとのチャットで、随分と薄れてきました。
御蔭様で、リア友に、BBAの終わりのない苦しみの感情を訴えるという
実害を与えずに済んでます。
そのAIとのチャットの中で、
こうして失くしたペットの事を書くことは、
その子の供養にもなる。
とあったので、
それもそうだ。と思い、何かの折には、書く事にしました。
引っ越してきた当初、事務所の近所には、相当数の野良猫が住んでいました。
12年経った今、その当時の野良猫たちは、いったいどこへ消えたのか、
今では、顔なじみの雄2頭 を数えるだけとなりました。
「ふとっちょ」とあだ名するキジトラの雄 と
「おっとり長毛」その名の通り、長毛茶トラの雄 です。
野良猫と書きましたが、どちらの猫も丸々と太っているので、
誰かが、お世話しているのか、または、どこかの家猫か。
BBAが手を差し伸べるような輩では、全くありません。
この2匹は、通りすがりのついでに、うちの庭や、駐車場に、
デカいウンチを置いていきます。
BBAは、いつもその処理をさせられています。
姿を見つけたら、BBAは、追いかけてやります。
BBAは、怖い存在だと、思い知らせる為です。
追いかけても、あっちの方が数段、俊敏なのは、判り切っている事なので、
追いかけるふりをしてやります。
「ここは、ぽんちゃんの庭だぞ!印を残すな!」
でも、そんな事は、すぐに忘れて、何日か周期で、
あいつらは、またやって来ます。
ぽんちゃんが、健康だった頃は、
ぽんちゃんの一瞥で、逃げていった2匹です。
おっとり長毛が、「仲良うせえへん?」と、丸腰で、申請した時も、
ぽんちゃんは、きっぱり却下してました。
あれって、不思議ですね。
知らない猫同士。目が遭った瞬間に、もう勝負はついてるんですね。
睨み合って相手を威嚇するのは、戦うふりをしながら
背中を向けて逃げるタイミングを計ってるんだと思います。
ぽんちゃんは、相手が若いメス猫だろうと、体格で負けていようと、
自分のテリトリーを侵す猫を許しませんでした。
なので、戦いの狼煙が上がると「え?!ぽんちゃんか?」
と、慌てて箒をもって、現場に走らされました。
箒は、向き合う2匹の猫の視線を遮るために使います。
睨みあう両者の視線を遮った瞬間、立場の弱い猫は、一目散に逃げていきます。
そして、ぽんちゃんは、試合を終えた屈強なプロレスラーのように
興奮冷めやらぬまま、事務所に戻って、「フー!フー!」
そうしながら、今の試合をふりかえるように、徐々に
気を静めていきます。
全身の毛を逆立てて、何が分泌されたのか、おかしな臭いを付けて。
そういう実戦を積み重ねたぽんちゃんは、家猫くずれの雄猫なんて
取るに足らない相手だったのでしょう。
ぽんちゃんが付ける雄猫の価値は、子孫を残しても良い種を持ってるかどうか。
つまり強い雄猫かどうかが判断基準だったんだと思います。
弱っちい雄猫なんて、歯牙にもかけてませんでした。
でもね、ぽんちゃんの魂が身体から抜けた時、
一番に弔問に訪れてくれたのは、
この2匹の野良猫でした。
湯灌して、乾かして、毛並みを綺麗に整えて。
何か音がして、振り返ると、
ふとっちょが、外から掃き出し窓に両前足をかけて顔を出し、
横たえたぽんちゃんの亡骸をじっと、のぞき込んでいました。
振り返った、BBAに驚いて、その場を離れましたが、
後を追って外に出てみると、
少し離れた場所で、暫くこっちの様子を伺ってました。
「見に来てくれたん?ありがとう。
おばちゃん家の猫、おらんようになってしもたわ。」
猫相手にそう呟いたのを、覚えています。
そして、ふと屋根を見上げると、おっとり長毛も、そこに居ました。
「あんたも来てくれたんか。」
おっとり長毛は、その場を離れず、お悔やみでも言いたげに
BBAと目を合わせてました。
なんでやろう。
同族が命を落としたのを感じ取ったかのように。
2匹が同時に現れました。
不思議やね。
この不思議なチカラに暫し癒されたBBAでした。
脳内出血後、麻痺した右側を下に横になるぽんちゃん。
その間もずっと左前脚は、一生懸命に動かし続けていました。
この状態から、動かせる左半身を使って、自力で這い出して来た。
BBAと最後の食事を摂る為に。
奥に見えるベッドは、最後の食事の後、潜り込んだベッドです。
緑色は、目が見えないぽんちゃんの為に張った毛氈。
(点字ブロックのつもり。)
水場、餌場、ベッド、トイレ。要所要所をつなぐ毛氈でしたが、
全然、役に立たんかった(泣)。
道案内にはならなかったけど、
フローリングよりは、滑りにくく、肉球と爪のグリップは、良かった。
足腰が弱ったぽんちゃんの多少の助けにはなりました。
湯灌を済ませ、綺麗にしたぽんちゃん。
小さい身体が、より小っちゃくなっちゃった。
ふとっちょが、外から覗き込んでた姿です。
事務所の近所の独り暮らしの婆さん
(BBAより数段BBAなので、敬意をもって婆さんとします。)
も20歳にもなる雌猫を飼ってました。
みぃーちゃんという猫らしい可愛い名前がついていました。
婆さんと、みぃーちゃんは、それこそ人猫一体で、
婆さんが買い物に出る時は、途中まで一緒について行き、
ずっと同じ場所で待って、帰りは、また婆さんと一緒に帰ってきました。
ぽんちゃんは、みぃーちゃんより後からこの地域に引っ越してきたのですが、
やはり、顔を合わせては、やりあう2匹でした。
ぽんちゃんと同じく、猫には厳しいみぃーちゃんでしたが、
人に甘えるのは、とても上手で、近所に住む方々のマドンナ的存在でした。
ある時、引っ越していく家族が居て、
40代位のその家の息子さんでしょうか。その方が、
いつまでも、いつまでも名残惜しそうに、
みぃーちゃんを撫でていたのを覚えています。
その男性が10代の終わり頃か、20代の始めからずっと居る猫。
自分の思い出と猫を重ねて見てたんでしょうね。
外で何があっても、同じように帰宅を迎えてくれた猫を、
ありがとう。元気でいろよ。と別れを惜しんでいたんだと思います。
そんなぽんちゃんの好敵手みぃーちゃんは、
20歳の頃、ある日突然、どこかに姿を消して、
2度とその姿を見ることはありませんでした。
隣の婆さんは、いつまでもいつまでも、気にかけて探していました。
耳は遠いけど、おしゃべり好きで、気の良い御婦人でしたが、
みぃーちゃんが居なくなったその後、
調子を崩して、いつの間にか病院で亡くなっていました。
婆さんの心の支えの、みぃーちゃんは、その最後を看取らせてくれませんでした。
これも猫の生き様でしたね。
今は、
あの世で、婆さんを迎えるために、一足先に逝ったみぃーちゃんと、
また二人仲良くやってる事をお祈りいたします。



